戸建にはメンテナンス費用がかかるという盲点

ファイナンシャルプランニングのご相談には夫婦で来られました。

まず最初に行ったのはキャッシュフロー表の作成。涼子さんは、家を契約して、住宅ローンを組んでも、子どもの教育費を出してあげられるか? 老後資金は足りるか? を最も心配していました。

まず老後資金については、健一さんには退職金がありますし、夫婦とも正社員で共働きのため、このままの働き方が続けば、老後の公的年金も夫婦合計で年間300万円ほどありそうなことが分かりました。

教育費については、現在“なんとなく”貯蓄しているとのことでしたが、大学と高校にかかるお金を計算すると、現在の貯蓄額では足りないことが分かりました。そこで、目標額を定めて貯蓄をすることにしました。

このように、一つひとつ必要額を明確にしていけば、家にかけられるお金も明確になります。

結論から言うと、さすが、買い物上手な健一さん、家を買っても問題のない家計でした。ただ、戸建ですから、長期的に見るとメンテナンスの必要があります。今後、外壁塗装やリフォームが必要になるかもしれませんから、その費用を今から貯めておきましょう、という話になりました。

一般的な基準で考えると、必要になる時期は外壁塗装なら10〜20年後、リフォームなら30〜40年後になりそうです。時間はたっぷりありますから、ここは積立投資をしたいところです。時間を味方につけられると、積立投資を選択できるうえ、利回りが期待できるなら、積立額も減らすことができます。

ただ、ここまで説明したところで、涼子さんはすぐに積立投資を始めたい、というふうにはなりませんでした。

●なぜ涼子さんは積立投資に二の足を踏んでいるのか? 後編へ続く>>