<前編のあらすじ>
のり子さん(仮名・50代)は結婚後、25年間夫のモラハラに耐えてきました。夫がのり子さんを見下した発言をするのは日常茶飯事で、特に「信用できない」と思ったのは出産時です。
のり子さんは陣痛が来たタイミングで仕事中の夫に連絡をしましたが、当日、なんと夫は病院に来なかったのです。命が誕生する、人生で最高に幸せな日を2人で時間を過ごせなかったことが、ただ悲しかったと話します。
子どもは小学生の時に発達障害の診断を受けますが、夫の無関心はその後も続きました。のり子さんはワンオペで子育てを担い、子どもが中学生になってパートを始めると、離婚を本気で考えるきっかけとなる出来事が起こりました。
●前編:【熟年離婚をしても生活は成り立つ? モラハラ夫に意地悪な義母…50代女性が直面した老後への「厳しい道のり」】
あれから3年、のり子さんは…
のり子さんは相談後すぐにパートから正社員に登用されました。幸い正社員になったことで会社の確定拠出年金に加入できました。よく分からないまま投資信託を選んだと言っていましたが、株式型を選択していたため数万円の利益が出ていました。
さらにNISAも銀行から勧められて始めました。3年前と違うところはのり子さんの前向きな姿勢です。3年前は夫の愚痴が多かったのですが、今は未来に向かって自分は何をすべきで、実際何をしているのかという発言が多くなりました。のり子さんは、現在、自分で稼ぎその資金の一部を離婚準備資金として積み立て、また、一部はNISAで運用して将来に向けて積み立てています。
再度、離婚後のシミュレーションをしたところ、問題なく生活できそうなことが分かりました。のり子さんは「安心しました。財産をどう分けるか? という課題は残っていますが、これから働けるだけ働こうと思っているので、どうにか生活ができることが分かり、今まで準備してきたかいがありました」と言っていました。