<前編のあらすじ>
小中麻衣さん(仮名・32歳)は、旅行会社を退職後、新しい生きがいを求めて出版社の編集アシスタントとして再就職しました。働き始めて2カ月ほど経ったある時、同僚女性からJリーグの試合観戦に誘われます。
元々、日本代表の試合を見に行ったことがあるほどサッカー好きだった小中さんは「久しぶりのスタジアム観戦も悪くないな」と軽い気持ちで試合観戦に行くことに。しかし当日、J1の左サイドハーフの選手に一目ぼれしてしまい、段々とスタジアム通いにのめり込むようになりました。
●前編:【リボ払い限度額突破でクレカ停止でも「推し活が止められない」32歳女性Jリーグへの愛が引き起こした借金地獄の悲劇】
ブラック企業で燃え尽きて結婚退職
私は大学卒業後旅行会社で働いていましたが、ブラックな割には給料が安く、しかもなかなか上がらないことに嫌気が差し、社内の先輩を見ても自分の理想とするキャリアパスが描けないことから、結婚を機に退職を決めました。
世の中ではコロナのパンデミックが起こり、旅行業界は先行きが見えず、社内では非正規の職員からリストラが始まっていたタイミングでした。
今思えば、一種の燃え尽き症候群だったのかもしれません。とはいえ、もともと旅行業界を目指すようなタイプなので、コロナ禍の間、家で在宅勤務の夫と音楽ライブや映画の配信を見ているのにも飽きてしまいました。
そこで行動制限が緩和されるのを待って就活を始め、出版社の編集アシスタントの職を得ました。正社員ではなかったのですが、雑誌の編集には興味があったし、次の生きがいを見つけられるのではないかと思いました。
しかし、現実には、次の生きがいは全く違う方向からやって来ました。