<前編のあらすじ>
地方で保険代理店を営む山本浩一さん(65歳・仮名)。外資系保険会社でトップ営業マンとして活躍し、独立後も順調に業績を伸ばしてきました。
しかし後継者育成のために採用した社員への威圧的な指導が常態化。退職した元社員3名から未払い賃金とパワハラによる損害賠償請求が届き、その総額は800万円にのぼりました。弁護士からは法的な支払い義務があると指摘され、示談交渉を進めるしかない状況に追い込まれます。
●前編:「売上も上げていない社員に、なぜ残業代を払うんだ」後継者を育てたかった65歳敏腕社長に届いた、退職者からの800万円の訴え
自立できない娘と、老後設計の誤算
山本さんには、出戻りのシングルマザーの娘がいます。娘も会社に入れて給料を払い、将来的には会社を譲って自身は引退する予定でした。しかし現実は、到底代替わりできる状況ではありません。
会社の経営は厳しく、個人の支出も多いため、山本さんは稼ぎ続けなければならない状況でした。そこに800万円の請求が重なり、さらに娘と孫の生活費や教育費の負担まで続く……。とてもではないが引退などできない状況で、山本さんは先々への不安を深めていました。