<前編のあらすじ>

敦子さんは現在65歳。7歳年下の夫・信行さん(58歳)と暮らしています。信行さんは会社に35年間勤務していて、年収は800万円ほど。

敦子さんは62歳から65歳までの3年間は特別支給の老齢厚生年金(特老厚)を受給していました。62歳でのその手続きの際、65歳からは老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給でき、72歳から振替加算が上乗せされると言われていました。

しかし、65歳を迎え、再び年金事務所を訪れた敦子さんは、今後の年金について具体的な説明を受ける際に予想外のことを伝えられます。

●前編:「72歳から年金に上乗せ」と言われたのに…7歳上の妻が65歳で知った予想外の事実

「振替加算」の条件

老齢基礎年金に上乗せされる振替加算とは、厚生年金加入期間が20年(240月)以上ある配偶者により「生計を維持されている人」で、厚生年金加入期間が20年未満の人に加算されるものです。

「生計を維持されている」とは、「同居しているなど、生計を同じくしていて、かつ、本人の前年の収入が850万円未満である」状態を指します。

1926年4月2日~1966年4月1日生まれの人が対象で、生年月日が早い人ほど加算額が高くなり、後の人ほど加算額が少なくなります。

信行さんは厚生年金に35年間加入しており、「配偶者の厚生年金加入期間20年以上」は満たしています。一方、62歳当時、敦子さんの厚生年金加入期間は209月で20年未満でした。そのため、配偶者である信行さんが65歳になると、その時点で生計を維持されているはずの敦子さん(72歳)に、年間1万6335円(2026年度)の振替加算がつくようになるはずでした。

しかし、敦子さんはその後仕事につき厚生年金に加入したので、65歳を迎えた時点で厚生年金加入期間は合計241月、つまり、20年以上になってしまいました。「本人の厚生年金加入期間20年未満」という振替加算の条件から外れてしまったのです。