近年の“推し活”ブームの先駆的存在が、いわゆる“ディズニー推し”です。日本に初めてディズニーランド(TDL)がオープンしたのが1983年。2001年には東京ディズニーシー(TDS)が加わり、今年はTDSの開業25周年です。
もうすぐ32歳になる一ノ瀬詩織さんはまさにTDS世代ですが、体育会系だったこともあり、テーマパークとは縁のない青春時代を過ごしてきたとか。そんな一ノ瀬さんにとって最近の大きなサプライズとなったのは、何事にも関心が薄いタイプだった実兄がいつの間にか“ディズニー推し”となり、月イチペースで家族で東京ディズニーリゾート(TDR)詣でをしていたことでした。しかも、そのために330円ランチ生活を送っているというのですから、ただごとではありません。一ノ瀬さんに兄一家の“推しライフ”について聞きました。
〈一ノ瀬詩織さんプロフィール〉
埼玉県在住
31歳
女性
会社員
シングルで実家に両親と3人暮らし
金融資産450万円
「回らない寿司」に母が漏らした本音
4月生まれの母の誕生日祝いに今年は銀座の老舗寿司店を予約しました。江戸っ子の母は昔から江戸前のお寿司が大好物だったからです。
ランチコースが1人1万8000円と私にとっては大きな出費でしたが、勤務先で昇給もあったので思い切って奮発しました。実家で両親と同居する私は日頃から母にはいろいろ面倒をかけていて、その恩返しの意味合いもありました。
カウンターで職人さんが握ってくれる寿司のコースをひと通り食べ終えた後、湯吞みを手に母がしみじみ言いました。
「やっぱり、“回らないお寿司”はいいわね」
何のことを指しているのか、すぐにピンと来ました。その前週、母は兄一家からひと足早く誕生日を祝ってもらったのですが、父と一緒に連れていかれた先は地方系回転寿司のチェーン店だったと聞いていたからです。
兄は「母さんが寿司好きだから、加奈(義姉)がわざわざ予約したんだよ」と個室風の部屋に案内されたようですが、帰宅後、母は「2皿食べたらもう手が出なかった。呼んでもらえるだけでもありがたいんだけどね」とこぼしていました。江戸前の赤酢を使ったきりっとしたシャリが好みの母には、回転寿司は口に合わなかったのでしょう。にもかかわらず、食が進まない母を横目に、兄夫婦と5歳の姪は「うちの近くの回転寿司よりおいしいね」と都内では珍しい地魚や地エビの握りを頬張っていたのだそうです。
