<前編のあらすじ>

多忙な仕事で連日深夜の帰宅が続いていた美香。夫の幸次は残業が少なく先に帰宅しているが、疲れて帰宅しても「飯は?」と当然のように料理を求められる日々に、美香の不満は限界に達していた。

放置されていた洗濯物を美香が問い詰めると、幸次は「それくらい美香がやれよ」と言い返す。ついに美香は家事代行サービスの利用を宣言した。

しかし幸次は猛反対。美香が「幸次は全然やってくれない」と不満をぶつけると、幸次は「手伝ってる」と反論。議論は平行線をたどるばかりだった。

●前編【「簡単なのでいいよ」夜11時に帰宅した妻に夕食を要求…共働きなのに家事をしない夫への不満が爆発

家事代行をめぐる本音の対話

仲直りをできないまま数日が経ち、週末を迎えた土曜日の昼に美香は幸次と再度話し合おうと決めて、2人で袋ラーメンを食べた後に声をかけた。

「ねえ、ホームヘルパーのことをちゃんと話したいんだけど」

幸次は面倒くさそうに頭をかく。

「……いやだって俺は言ったし、気持ちは変わらないよ。どうしてもって言うのなら勝手にやってくれよ」

「そもそもさ、どうして家事は私がやるものってことになってるの? 2人で家事はやろうねって話をしたのは覚えてるでしょ?」

幸次は軽く息を吐いた。

「俺はそもそもそういうの得意じゃないんだよ。別に俺だって何もやってないわけじゃないんだし、適材適所でやったほうがいいじゃん」

「そんなことないよ。昔は幸次が率先して料理をしてくれたりしたじゃん。カレーが得意だからって言ってスパイスから作ってくれたりとかしてくれたよ? 私は幸次が作る料理だって好きだったし、洗濯物だって干したりとかしてくれたじゃない? どうして何もしなくなったのよ?」

幸次はそこで軽く目を伏せた。

「……だって俺がやってもやり方が違うとか言って、すぐに怒るだろ。別に怒ることを責めてるわけじゃないけど、やって迷惑がかかるくらいならやらないほうが良いかなと思ってるんだよ」

幸次がそんなことを思っていたことに美香は少し驚いた。

たしかに幸次が料理をすればキッチンはひどい散らかりようだし、洗濯物を頼んでおいたら美香の一張羅のニットが着れないくらいに縮んでしまったこともあった。それに対して怒ったり不機嫌になったりしたことにも、心当たりがないわけではない。

「……それはごめん。でもさ、だったらなおさらプロに任せようよ」

「だから、家事代行なんてさすがに俺たちには贅沢すぎるって……。もうちょっと効率的にできるようにしたりとか、工夫だってできるだろうし。そんなに言うなら俺だってもう少しくらい手伝うよ」