<前編のあらすじ>

神奈川県に長年住んでいた樋口なつみさん(仮名、40歳)は、東京都と神奈川県の子育て支援の大きな格差である「多摩川格差」に長年悔しい思いをしていました。

そんな中、夫の母親が住む都営住宅での同居の話が突然持ち上がり、都内への転居を実現することができました。家賃負担も減り、「塾や習い事くらいはさせてあげられるだろう」と、樋口さんは前向きに考えていました。しかし、実際に都内で生活を始めると、思いもかけない現実に直面することになったのです。

●前編:【多摩川格差の罠】義母と同居・家賃減で東京進出を果たすも負担増…勝ち組を目指した40歳パート主婦の大誤算

義母との同居で都内進出

東京都と神奈川県では子育て支援に大きな差があります。潤沢な税収のある東京都では保育費や給食費、高校授業料が無償化され、18歳以下の子どもに毎月5000円の支給も行われているのに対し、神奈川県ではなかなかこうした制度改革が進みません。

近年はこうした両都県の差を揶揄して「多摩川格差」と呼ばれるようになっています。

長く多摩川の西側の神奈川県在住だった私は小学生の一人娘を抱えて広がる一方の格差にイライラしていたのですが、都営住宅に住む義母と暮らしていたバツイチの義兄が再婚して家を出たのを機に家族3人で義母と同居することになり、晴れて多摩川の東側の住民となったのでした。