<前編のあらすじ>
61歳の地方公務員・高橋奈津子さん(仮名)は、来春の定年を前に約1億円の資産を築きました。短大卒業後、手取り12万円のブラック企業で働き体を壊して帰郷。親から「しばらくは家でゆっくりしたら」と言われましたが、公務員試験に挑戦し、県庁で38年間勤めました。
バブル期も浮かれず堅実に貯蓄し、株式投資を開始。メインバンクの担当者たちは皆誠実でした。特に2008年のリーマン・ショック時、投資資産が半減する中、担当者の馬場さん(仮名)の冷静な言葉が損切りを思いとどまらせたと言います。
●前編:初任給12万円のブラック企業で挫折、それでも約1億円貯金を達成…61歳・公務員女性を支えた“意外な存在”
定年前に約1億円の資産を築けたワケ
私は来春定年を迎える61歳の地方公務員です。職場には民間の再雇用に当たる再任用制度もありますが、私自身は定年で仕事にひと区切り付け、元気で体の動くうちに趣味のガーデニングやボランティア活動に力を入れたいと考えています。
私はシングルなので周囲の人からは「老後が大変じゃないの?」と心配されますが、私の場合、親と暮らす家に加えて手元にはもう少しで1億円に届く個人資産があり、なおかつ、贅沢をするタイプではないので、来年完全リタイアしても何とかやっていけそうです。
新卒で入社したブラック企業の初任給は12万円、その後もごく普通の地方公務員だった私が定年までにこれだけの資産を築くことができたのは「長期投資」の賜物ですが、それを可能にしたのは金融機関でいい担当者との出会いがあったからです。
今も私のメインバンクである銀行は、代々、信頼できる担当者が付いてくれるので安心感があります。とりわけ印象に残っているのが、2008年のリーマン・ショックの時の担当だった馬場さんです。
