ある外資系生命保険会社が2025年に還暦を迎える男女に行ったアンケート(有効サンプル2000)によると、平均貯蓄額は2460万円だったそうです。近年の給与体系の変化や物価高などの影響か、還暦世代の平均貯蓄額は2023年の3454万円をピークに減少傾向にあります。そうした中で、定年までに約1億円を貯めたのが地方公務員の高橋奈津子さん(仮名)です。
おひとりさまで実家にお母様と暮らす高橋さんは、新卒でブラック企業に就職し無理を押して働いた結果、体を壊して帰郷。大きな挫折を味わいました。しかし、公務員試験に合格して県庁に入ると、バブルにも踊らされず、地道に着々と資産形成に励んできました。
「私が1億円の資産を作れた最大の要因は長期投資。今、NISA(少額投資非課税制度)の積み立てを頑張ってる人は報われる可能性が高いと思いますよ」と話す高橋さん。ただし、そこには強い味方の存在があったと言います。高橋さんが「相談料は無料だし、真剣に私に寄り添ってくれる」と評す“最強のお金の専門家”について聞きました。
〈高橋奈津子さんプロフィール〉
関東地方在住
61歳
女性
地方公務員
自宅に母と2人暮らし
金融資産9500万円
手取り12万円のブラック企業で体を壊した20代
早いもので、来年の春には定年を迎えます。38年の公務員生活は、振り返るとあっという間でした。
東京の短大を卒業した後に新卒で入社した会社はいわゆるブラック企業で、営業職として働いても働いても毎月の給料は手取りで12万円ほどでした。若かったし真面目な性格でもあったので何とか売り上げをアップするよう2年近く頑張り続けたら、今度は体が悲鳴を上げました。
出勤前に決まって具合が悪くなって遅刻を繰り返し、挙げ句の果てには家から出られないような状態になり、心配した田舎の両親から勧められて帰郷することにしました。
