投資デビューとメインバンクでの運命的な出会い
バブルの頃は踊らされるのが嫌で株の取引には一切手を出しませんでしたが、株式売買手数料が自由化されてちょっとした株のブームが起きた頃に口座を開設し、気になった銘柄を少しずつ買うようになりました。同じ頃に投資信託が銀行で購入できるようになり、担当者に勧められて幾つか買ったりもしていました。
結果的に、それが今の資産につながっています。
幸運だったと思うのは、メインバンクにしている銀行でいい担当者に巡り会えたことです。
銀行は人事異動の関係で数年ごとに担当者が変わるのですが、その銀行では異動する担当者からは必ず電話や手紙で挨拶があり、それだけでなく、後任の担当者に私の財産の状況や仕事内容、家族構成などがしっかり引き継がれていたので、好感を持っていました。
歴代の担当者は皆、身なりや言葉遣いがきちんとしていて公務員として見習わなければと思いましたし、私に接する態度も、私よりかなり年輩の方でも威圧感は全くなく、むしろ私が今困っていることは何か、どんな資産運用をしたいと考えているかを丁寧にヒアリングした上で最適解を提示してくれるというアプローチなので安心できました。
リーマン・ショックで資産が半減する恐怖
中でも、2008年のリーマン・ショックの時の担当者だった馬場さんには本当に感謝しています。
バブルの崩壊は経験していても、当時は株にも不動産にも投資をしていなかったので、しょせん他人事でした。しかし、リーマン・ショックの頃には投資財産だけでも8ケタに上っていて、かなり肝を冷やしました。
保有する株式や投資信託は1つ残らず暴落し、しかも、さらに下がり続けていくのですから、恐怖しかありません。翌年春には、日経平均株価が7000円ほどにまで下落しました。
その間、株の売買をしていた証券会社の担当者からは「すぐに売ってください。もっといい商品がありますから」といった電話がしょっちゅうかかってきて、その度にぐらぐら心が揺れました。
そうした中で、馬場さんだけが「高橋さん、株式市場は生き物ですから、何十年に1度はこういうこともあるんです。でも、いずれは上がってきますから、売らずに持っておいてください」と言い、私に損切りを思い止まらせたのです。
●8ケタの資産が半減する恐怖の中、馬場さんのアドバイスで冷静さを取り戻した高橋さん。低迷相場に耐えた結果、待っていた展開とは? 後編【リーマン・ショックで資産半減→V字回復を経験、おひとりさま女性が見極めた“信頼できる担当者”の条件】でご紹介します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
