<前編のあらすじ>
1歳上の妻・晶子さんと暮らしている俊勝さんは、2026年1月に65歳を迎えました。
年金を受け取れる年齢となりましたが、まだ働いていて、給与は月50万円。夏と冬にそれぞれ120万円の賞与もありました。ただ、65歳の誕生日の翌日から別の会社に再就職し、給与は26万円に下がり、賞与もなくなりました。
働いている場合、年金支給額が一部カットされる制度がありますが、俊勝さんは収入が減るので年金はカットされないだろうと高を括っていましたが……。
●前編:「年152万、月12万ちょっと」の年金が全額カット…月給50万だった65歳男性が月26万の仕事に転職してむしろ喜んだ理由
「何でカットされるんだ?」
年金事務所で提示された65歳以降の年金は、年額240万円のうち年額192万円支給と計算されていました。また、そのうちの老齢厚生年金(報酬比例部分)については、年額156万円のうち年額48万円が支給停止されるという内容だったのです。「年48万円、つまり月4万円もカット? 給与もかなり下がり、賞与もなくなるのに何でカットされるんだ?」と俊勝さんは疑問に思います。
職員は「再就職してから月給26万円に下がって賞与もないのですね。しかし、年金の支給停止額の計算方法にはルールがあります。在職中でも支給停止が完全になくなるのはまだ少し先です」とのことでした。
会社から受け取る給与収入が減っているのになぜ年金が支給停止されてしまったのでしょうか。また、「支給停止されなくなるのはまだ少し先」ということでしたが、そもそも支給停止額はどのように計算され、いつから支給停止がなくなるのでしょうか。
働くと年金が減る「在職老齢年金制度」
年金を受給している方が働いて厚生年金に加入し、年金と給与と賞与の合計が一定額を超えた場合に年金が支給停止になるのが在職老齢年金制度です。具体的には、①報酬比例部分の年金、②標準報酬月額、③直近1年間の標準賞与額の12分の1の合計が51万円(2025年度の場合)を超えた場合に、超えた分の2分の1の①の額が支給停止になります。
俊勝さんが既に理解していたとおり、支給停止対象となる①の年金は報酬比例部分になり、老齢厚生年金のうちの経過的加算額や老齢基礎年金は含まれていないため、こちらは全額支給されることになります。
