<前編のあらすじ>
地方で自動車整備工場を営む松本浩一さん(60歳・仮名)。社員5名の小さな会社ながら、地域で長年愛されてきた整備工場でした。
しかし松本さんは散財を繰り返し、会社のお金で趣味のバイクまで購入。創業当初から松本さんを支え、総務・労務を一手に担ってきた右腕の佐藤さんがついに見切りをつけて退職してしまいます。
右腕を失った工場は一気に混乱。帳簿は滞り、請求漏れも重なり、資金繰りは急速に悪化していきました。「会社のお金がいくらあるか分からない」。妻の陽子さんがそう振り返るほど、経営は行き詰まっていきます。そこへ、さらなる問題が松本さん夫婦を襲いました。
●前編:「細かいことはいいんだ」会社の経費を趣味に費やし続けた60歳社長…「右腕」が去った日から始まった、老後破産への転落
発覚した助成金の不正受給
コロナ禍の際、休業を装って、助成金を受給していたのです。返還金とペナルティを含めて支払うべき金額は約400万円。
すでに消費者金融から借り入れをしている状況の中で、さらに400万円の支払いを求められました。
陽子さんはその通知を見たときのことを、今でもはっきり覚えています。
「頭が真っ白になりました。もう会社は続けられないと思いました」
その後、松本さんは事業の継続を断念し、自己破産を選択しました。