破産で自宅も失い、還暦でゼロから老後の備え

預金は当然のことながら、自宅も手放すことに。夫婦はアパート暮らしとなり、長年続けてきた工場も閉鎖しました。

整備の技術を持つ松本さんは、知人の整備工場に雇ってもらえないか相談し、複数の事業所でアルバイトを掛け持ちして収入を得ることになりました。

一方で、破産の際には仕入れ先のメーカーや外注先への支払いができないまま残ることになりました。

支払いの遅れが発生するようになってから、外注先や仕入れ先の担当者が少しでもお金を回収しようと会社を訪ねてくるようになり、申し訳ない気持ちでいっぱいだったと陽子さんは言います。

そして還暦を迎え、家も資産も失った状態で、夫婦はゼロから老後を考えなければならなくなったのでした。

中小企業では、銀行借入の際に社長が個人保証人になるケースが一般的です。そのため会社が倒産すると、社長個人も負債を背負い、自己破産に至るケースが少なくありません。

今回の助成金不正受給は、その引き金の一つに過ぎません。

そもそも、本来やってはならないことを安易に判断してしまうことが問題の本質です。