<前編のあらすじ>

地方都市で飲食店チェーンを経営する田村雄一さん(52歳・仮名)は、地元では名の知られた名士です。妻・早苗さん(55歳・仮名)と二人三脚で築いた成功でした。

しかし田村さんには、行きつけのラウンジの女性に総額900万円を投じてエステサロンを開業させるという、秘密の一面がありました。

●前編: 20年支えてきた妻を裏切った50代経営者…愛人の夢を叶えるために900万円を注ぎ込んだ「甘い決断」

廃業、逆上、そして妻への発覚

しかし現実は厳しいものでした。広告を出しても集客は伸びず、月商はわずか10万円程度。固定費が重くのしかかり、本部の指導を受けても改善の兆しは見えません。

半年後、雄一さんは廃業を決断し美咲さんに伝えましたが、それを聞いた美咲さんは激怒しました。

生きがいや夢を奪われたと感じたのか、攻撃的な態度に変わっていきました。ラウンジでは被害者のように振る舞い、雄一さんを悪者に仕立て上げます。そしてついに、自宅へ嫌がらせの手紙を送るようになりました。

これがきっかけで不倫は妻に発覚。離婚へと発展します。

問題となった「自社株」の評価

離婚協議で争点となったのは、雄一さんが保有する自社株の評価額でした。

一般的なM&A算定方法では約7000万円程度と算定されました。一方、妻側は弁護士を通じて1億円超と主張し、6000万円の財産分与を求めました。

結果、裁判は長期化しました。最終的には自宅マンションの譲渡と1000万円の支払いで和解しましたが、現預金だけでは足りず、会社から借り入れて資金を工面することになりました。

感情に任せた安易な行動が、家庭や資産を失うだけでなく、会社の資金繰りにまで影響を及ぼす結果となったのです。