<前編のあらすじ>

地方の信用金庫に勤める高橋涼太さん(仮名)は、教育費や住宅ローンを控え家計への危機感を募らせています。しかし、元教師の妻・才佳さん(仮名)は「今の幸せを壊したくない」と社会復帰を拒み、専業主婦に留まり続けています。

周囲から「完璧な良妻賢母」と称賛される妻ですが、高橋さんだけが知る冷徹な一面も……。優秀な能力を持ちながら働く気のない妻に、高橋さんは焦燥感を抱きます。

●前編:元教師で学年トップの“デキる妻”は社会復帰を断固拒否…40歳夫を「お小遣い制」で縛る驚きの理由

働くことにネガティブな妻

企業経営にダイバーシティ&インクルージョンが浸透していく中で、女性に求められる役割も変わってきています。

私の勤務先は信用金庫で、少し前まで女性の仕事と言えば窓口業務や事務などでした。近年は女性も総合職として採用されて営業や融資担当に配属されるようになり、女性の係長も誕生しました。

しかし、こうした変化にポジティブな女性もいれば、ネガティブな女性もいます。優秀な部下に昇進を打診した時に、「ワークライフバランスを大切にしたいから信金に入ったのであって、出世したいわけじゃありません!」とにべもなく断られたこともありました。

百戦錬磨の人事課長なら、そんな時、「後に続く後輩女性のためにも今やらないでどうするんだ」などと口説きにかかるのかもしれませんが、私には無理です。なにしろ、すぐ近くに“働くことにネガティブな女性”がいて、さんざん苦慮してきたのですから。

それが高校時代から付き合っていた妻の才佳です。才佳は結婚と同時に家庭に入り、以降15年近く収入を得る仕事はしていません。