津田節子さん(仮名、59歳)は56歳になる弟と二人で暮らしています。両親はすでに他界。弟は働くこともなく、姉弟二人の生活費は節子さんの給料でまかなっています。節子さんは正社員として働いていますが、その生活は決して楽なものではありません。

さらに節子さんの頭を悩ませるものがありました。それは、弟から金銭の要求をされるようになったこと。

「このままでは生活が成り立たなくなってしまう。何とかしなければ」

そう思った節子さんは、筆者のもとへ相談に訪れました。

「弟は働くこともせず無収入なので、障害年金の請求を考えるようになりました。ですが弟は今まで精神科や心療内科を受診したことはありません。障害年金の請求に向けてどのようなことに注意すればよいのか教えてください」

「わかりました。それでは、まず状況の確認から始めさせてください」

筆者はそう言い、節子さんから事情を伺うことにしました。

無収入の弟からの金銭要求…追い詰められた姉の相談

節子さんが高校2年生の時、父親が病気で急死してしまいました。母親は遺族年金を受給しながらパートで働き、子ども二人を育てることになりました。

仕事に子育てに忙しい母親を少しでも助けようと、節子さんは高校に通いながら、炊事、洗濯、掃除などできる限りの家事を手伝いました。その一方で弟は何も手伝おうとしません。

これに腹を立てた節子さんは弟を叱りました。

「お母さんは私たちのために毎日大変な思いで働いているんだよ。あなたも少しは手伝いなさい」

しかし弟は「そんなのわかってるよ」と答えるものの、家事を手伝うことは一切ありませんでした。

その後も弟に家事を手伝うよう促しましたが、弟が動き出すことはありませんでした。

弟は当時中学生だったので、節子さんも仕方がないとあきらめてしまったそうです。その後、弟が家事を手伝わないことが当たり前のようになってしまい、節子さんはモヤモヤした気持ちを抱えつつ、母親の手助けをしていました。