母の逝去と「遺産」の使い果たし、崩壊していく姉弟の生活
そのような生活が何十年も続き、母親は高齢になり体も次第に弱ってきました。
母親はことあるごとに「私が亡くなったあと、姉弟で仲良く生きていって欲しい」と口にするようになりました。そしてとうとう1年前に母親が亡くなったのです。
母親の残した財産は、ほんの少しの預貯金と自宅だけ。弟は無職だったため、何か困ったことがあった場合に備え、自宅は弟名義にしました。預貯金は姉弟で半分に分けました。
母親が亡くなっても弟は働くこともせず、相続した預貯金でお菓子やジュースを買ったり、大型入浴施設に行ったりしていました。
そして母親から相続した預貯金をすべて使い果たしたあと。弟はアルバイトを始めることもなく、なんと節子さんに金銭の要求をするようになったのです。要求額は月に3万~4万円。現在は節子さんの働いた収入だけで二人の生活費をまかなっているので、そんな余裕はありません。
そこで節子さんが要求を断ると、弟は険しい顔で言いました。
「そんなこと言うなよ。母さんも言ってただろ?『姉弟仲良く生きていって欲しい』って。何も大金をよこせって言ってるわけじゃないんだし、そのくらいいいだろ。もし金をくれなかったら、姉さんの会社に押しかけて大声で騒いでやる。それでもいいのかよ?」
節子さんがお金を渡すまで、弟は何時間でもくどくど文句を言ってきます。
節子さんはもうすぐ60歳で定年退職を迎えます。それまでの間は波風を立てることなく、今の会社で働きたいと思っています。不本意ですが節子さんは弟の要求を呑まざるを得ませんでした。
姉弟の生活は決して楽ではないのに、弟は働くこともせず、家事も一切手伝いません。節子さんは依存してくる弟に心底困り果ててしまいました。
●働かないばかりか、会社への突撃をちらつかせて金銭を要求してくる弟。もうすぐ60歳の定年を迎える節子さんは、心底困り果ててしまいます。「このままでは共倒れになってしまう……」そんな絶望のなか、節子さんはある選択肢に一縷の望みを託します。姉弟を待ち受ける衝撃の結末とは? 後編【「俺はどこもおかしくない!」58歳無職の弟が“病院受診”を促され激昂…追い詰められた姉が下した「衝撃の決断」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
