八木幹太さん(仮名・47歳)は、中学2年生頃に不登校となり、その後30年以上にわたってひきこもりのような生活を続けてきました。そして1年前には父親が死亡。現在は81歳になる母親と2人で暮らしています。
幹太さんは今まで一度も働いたことがなく、家族の収入は母親の老齢年金と遺族年金の月15万円。この金額で母子2人の生活を支えなければならず、生活は決して楽なものではありません。
さらにお金以外に母親を悩ませていることがありました。それは幹太さんから“謝罪”を求められ続けていること。一体、この家族に何があったのか。面談に訪れた母親から事情を伺うことにしました。
正義感の強さが仇に? クラスで浮いた存在に
幹太さんは教育熱心な母親と正義感の強い父親の影響を受け、幼少期から真面目な性格でルール違反や曲がったことに敏感に反応するようになっていたそうです。
小学生の頃、信号を無視して横断歩道を渡る人やごみをポイ捨てする人に「あっ! いけないんだ~」と大声を出して注意することもありました。
その性格は中学に進学しても変わりませんでした。
中学生になると、あえてルール違反をするような生徒も出てきます。幹太さんはそれが気になって仕方がなく、注意を繰り返しました。
その結果、クラスで浮いた存在となり、やんちゃな生徒にも目を付けられてしまいました。最初は軽いからかいを受けていた幹太さん。それに対し、顔を真っ赤にして猛抗議したそうです。反応が面白かったのか、からかいは次第にエスカレート。いつしかいじめに発展していきました。
