少年を襲った悲劇…父の冷徹な一言で心を閉ざす

「こんな奴らに負けるわけにはいかない。誰かに相談すれば、それは負けたことと同じだ」

そう思った幹太さんは、いじめを受けていることを両親や先生には伝えず、一人で耐えていました。

そんなある日のこと。休み時間中、幹太さんは後ろから羽交い絞めにされ、女子生徒も大勢いる前でズボンを脱がされたのです。あまりの恥ずかしさに幹太さんは涙を流しながらその場にうずくまりました。しかし手を差し伸べてくれる人は誰一人としていませんでした。

すっかり人間不信になってしまった幹太さんは、この出来事のあと中学校に行けなくなってしまいました。

心配した母親は「学校で何かあったの?」と問いただしましたが、幹太さんは理由を一切口にしませんでした。理由を言わないことに腹を立てた父親は、自室にこもっている幹太さんに聞こえるような大きな声で言いました。

「あいつは何を考えているんだ? こんな人間は社会に出ても通用しない。こんなどうしようもない奴は放っておけ」

その発言にショックを受けた幹太さんは、父親と顔を合わせたくない一心で、自室からほとんど出てこない生活を送るようになりました。

その後、幹太さんは精神状態が不安定になることが増えていきました。抑うつ状態に陥ると食事の量が極端に減り、1週間以上入浴や着替えをしない、自室で寝たきりになってしまうのでした。

幹太さんがそのような状態になっても、父親は心配するそぶりを一切みせることはなかったそうです。結局、幹太さんと父親が分かり合うことはこの先もありませんでした。

父亡き後に爆発した恨みつらみ

そのような生活が続いた中、1年前に父親が死亡。父親がいなくなったあと、幹太さんにある行動の変化が起きました。それは昼夜を問わず、母親に何時間でも恨みつらみを話すようになったことです。

中学生当時いじめにあってしまい、それが原因で不登校になったこと。当時父親が大声で幹太さんをなじっても母親は助けてくれなかったこと。自分がどれだけみじめな気持ちで今まで生きてきたのか。

今まで心の中にため込んできたものを一気に吐き出すかのように、母親にぶつけてきました。そして話の最後には決まって「お前のせいで俺の人生はめちゃくちゃになった。それについて謝罪しろ」と強要してくるようになったのです。