専業主婦に憧れ始めた娘
その割に私の稼ぎへの要求は厳しく、「給料が上がらないなら残業を増やせば?」といった無理筋の要求をしれっと言ってくるのですから閉口します。しかも、家計管理は才佳が主導権を持ち、給与振込口座をがっつり押さえられた上、子どもたちと同じくお小遣い制を余儀なくされています。ちょっと値の張るものを購入する際は逐一才佳の許可を得る必要があり、面倒なこと、この上ありません。
最近は中学生の長女まで「私もママみたいな専業主婦になりたい」と話しているのを聞いて困惑しました。妻はアメリカの絵本作家で園芸家でもあるターシャ・テューダーを崇拝していて著作物や特集記事が掲載された雑誌、映画や放映された番組のDVDなどをごっそり溜め込んでいます。長女も映画を見たりして影響を受けたらしく、海外でガーデニングを学びたいなどと勝手なことを言い出す始末です。
そんな母親と姉を見て育った長男は小学生ながら結構なリアリストで、「僕は将来、ママやお姉ちゃんみたいなタイプとは絶対に結婚しない。そもそも今の世の中、共働きじゃなきゃやっていけないでしょ」とクールに構えています。
崩壊寸前の家計を救う究極の妄想
10年近く前に書店で『専業主婦は2億円損をする』という本を見つけ、即買いしたことがありました。そこには、大卒女性が60歳まで働いた場合の生涯賃金は2億円強に上り、専業主婦はその分を丸々損してしまうと書いてありました(まさに、才佳のことです)。経済的に自立していないことで夫の家来になり、自己決定権をなくしてしまう。だから、若い女性は専業主婦になるのは止めておいた方がいいよという話でした。
世の中の女性からは結構な反発を受けたと記憶していますが、私の心には刺さりました。同じ作者がネット記事で退職金なども加えると2億円が3億円になると書いていて、さらに心をえぐられました。
今の高市政権下では、会社員や公務員の配偶者である専業主婦(夫)が保険料を払わなくても将来年金が受け取れる第3号被保険者制度も対象者を減らしていくという報道がありました。となれば、才佳の分の年金保険料の支払いも別途求められることになるのかもしれません。
3億円の生涯賃金プラス社会保険料の増額分を私1人の収入でカバーするのは無理な話で、このままいけば家計破綻まっしぐらです。
才佳がどうしても働きたくないというなら、その頭脳を投資にでも使って稼いでもらうしかない。来年からこども支援NISA(少額投資非課税制度)が始まれば、我が家の非課税投資枠は4800万円になるし……。そんなことばかり考えている昨今です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
