経営者の離婚は「家庭問題」では終わらない
不倫は倫理的な問題です。しかし、経営者にとってはそれ以上に大きな経済リスクを伴います。
今回の事例のように、離婚時の財産分与で大きなトラブルに発展することがあります。上場株式であれば市場価格が明確ですが、中小企業の自社株などの非上場株式は評価方法が複数あり、会社の業績や財務状況によって算定額に大きな幅が生じます。
そのため、離婚や相続の場面では評価額を巡って主張が対立しやすく、話し合いが長期化するケースも少なくありません。評価額が高くなれば分与額も増えるため、双方の折り合いがつきにくいのです。
さらに、経営者個人の資産や会社の現預金が潤沢でなくても、自社株の評価が高ければ支払い能力を超える財産分与を求められることもあります。その結果、会社から借り入れて資金を工面せざるを得ない状況に陥ることもあります。
軽い気持ちで不倫し、不倫相手に店まで持たせたことがきっかけで、順調だった経営にも影響を与えるような大きな問題となります。
今回のように、経営者の離婚では自社株の評価を巡ってトラブルになるケースが少なくありません。離婚は家庭内の問題にとどまらず、会社経営にも大きな影響を及ぼしかねない重大なリスクです。
安易な不倫や、感情に任せた出資・事業判断は、家庭だけでなく会社経営そのものを揺るがします。
会社を築くことは大切です。しかし、その土台である家庭を壊してしまえば、これまで積み上げてきたものを失いかねません。経営者こそ、そのリスクを自覚する必要があります。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。