「標準報酬月額」はどう決まるのか
俊勝さんの報酬比例部分は年間156万円でしたので、①は13万円になります。在職中の給与である②の額については、厚生年金の標準報酬月額は88,000円(1等級)から650,000円(32等級)までで区分され、再就職後の俊勝さんの標準報酬月額は26万円(17等級)と計算されます。
俊勝さんは新しい会社では賞与はないとのことでした。しかし、在職老齢年金の計算上③は直近1年間に受け取った賞与が対象となり、2026年1月の誕生日まで勤めた会社では賞与を受け取っていました。2026年2月分の支給停止額を計算するにあたり、直近1年間(2025年3月~2026年2月)の賞与として2025年6月と2025年12月で120万円ずつ、合計240万円受け取っていますので、この12分の1は20万円となります。そのため、②は26万円、③は20万円(240万円×1/12)となり、①の13万円の年金と足すと合計59万円になります。基準額51万円を8万円超えていますので、その2分の1は4万円。2026年2月時点の月額で見て、①の13万円のうち4万円が支給停止されることになり、年額換算では48万円支給停止になると計算されたのでした。
ただ、実際は制度改正で2026年度の基準額が51万円から65万円へ変わるため、2026年4月分以降の支給停止がなくなることになります。その前月3月分までが一部でも停止がかかることになります。
俊勝さんは「再就職した後は賞与がないとしても、前の会社の賞与で計算されてしまうのか……」と、支給停止が発生してしまう分は諦めるしかありませんでした。
「在職老齢年金制度」を確認しておこう
在職老齢年金制度の51万円基準(2026年度は65万円基準)は知られていても、支給停止額の具体的な計算方法はあまり理解されていません。これから年金の支給停止がなくなると思っていても、すぐになくなるとは限りませんので、年金を受け取れるようになっても引き続き働く場合には、その点を事前に確認しておくとよいでしょう。
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