「家事手伝い」ではなく公務員試験への挑戦を選んだ理由

あの頃は短大卒なら寿退社が当たり前で、卒業後は就職せずに「家事手伝い」をする人もたくさんいました。両親はそのうちいい人に出会って幸せな結婚をしてほしい程度に考えていたように思います。

しかし、私自身はそんな人生を送るつもりは毛頭ありませんでした。親からは「しばらくは家でゆっくりしたら」と言われましたが、翌月からは公務員試験の勉強を始め、2年後に県庁の職員に採用されました。県庁では事務職として、主に、子供や教育などの福祉分野に関わってきました。

融通は利かないけれど愚直に努力するタイプの私は公務員に向いていたと思います。

入庁した頃からバブルが本格化し、友人たちは年に何度も海外旅行に出かけたり、デザイナーズブランドの最新の服を身に着けたりしていましたが、私自身はそういうことにあまり興味がありませんでした。

ですから、キャリアアップや人として成長するための自己投資はしましたが、娯楽や外見を飾ることにお金を使う機会はほとんどなかったのです。

公務員になってからは幸い、毎月20万円を超える収入を安定的に得ることができました。自宅通勤で、食費として家に数万円を入れる程度だったこともあり、預金通帳の残高は徐々に増えていきました。