<前回のあらすじ>

三田高雄さんは、親族の中では浮いた存在。50を過ぎても定職につかずフラフラしていて、娘・梨乃さんの将来が不安なので、父・政男さんから特別な支援を受けていました。

ただ、長女の貴子さんや、次男の大貴さんは、ちゃんと働いていない長男・高雄さんが特別扱いをされているのを見て不満をためていました。

父・政男さんの死後、その不満がいよいよ爆発することに……。

●前編:【「最低限しか財産を残さないつもりだ」定職につかない50過ぎの長男と兄妹との「最悪の相続トラブル」】

遺言書が存在しなかった

時は流れて、とうとう政男さんが亡くなった。流行り病で肺を悪くし、驚くような速さでなくなってしまった。当然高雄さんら3人の子どもは相続のため遺産分割を行うことになったが、これが波乱を巻き起こす。

なぜかといえば、遺言書が存在していなかったからだ。

となると相続については3人で話し合って決めるしかない。もちろん、誰がどれだけの財産を相続するのかを話し合って決めるということだ。

話し合いをしても意見がまとまらない

遺産分割は相続人全員の一致が原則となるのだが、話し合いを始めて数カ月たっても意見がまとまらない日々が続く。

それもそのはず。政男さんは生前、高子さんと大貴さんに遺産を多く残す主旨のことを述べていたが、遺言書が残っていない以上証拠がなく、相続においては影響力を持ちえない。

お金に余裕のない高雄さんが、生前の政男さんの言葉を念頭に遺産分割をしようとする高子さんと大貴さんに反対して同意しないという平行線がひたすら続いていたようだ。