誠実な担当者との出会いから得た学び

今はお金の専門家の方がずいぶん増えてきましたが、地方に住んでいると、なかなか相談する機会はありません。その点、金融機関の担当者は電話ですぐに話ができますし、相談料もタダです。

いい担当者と出会えるかどうかは、資産形成の成否に少なからず影響すると思います。

私の経験からすると、「今売らないと」的な強引な物言いをしたり、「いい商品」を次々と勧めてきたりするような人は信用できません。人間同士ですから相性の良し悪しはあると思いますが、こちらは一応お客さんですから、「この人は合わない」と思ったら変えてもらえばいいのです。

金融機関はこのところ、個人相手のビジネスに重きを置くようになり、積み立て投資などによる長期の付き合いを前提に収益ベースでなく残高ベースで担当者を評価するようになっているという話を聞いたことがあります。

私たち利用者の方も、担当者がどれだけ誠実に自分に向き合ってくれているのかを冷静に見極めていく必要があるように思います。

実は、数年前、あの馬場さんとお会いする機会がありました。NISAの改正を控えて実施したセミナーに参加した際、冒頭の挨拶をされた部長さんが馬場さんだったのです。

新人だった担当者時代から頭が切れていかにも仕事ができる人という感じだったので出世ぶりには驚きませんでしたが、あれから15年以上も経ち偉くなったにもかかわらず私の名前までしっかり憶えていて、「高橋さん、大変ご無沙汰しております」と馬場さんの方から声をかけてきてくださったのには感激しました。

私のことをよく理解した上で、ニーズに合った提案やサポートをしてくれるメインバンクの担当者は、私にとって最強のプライベートコンサルタントです。リタイアした後も資産を守ったり使ったりしていく観点から、その時々で適切なアドバイスをいただいていきたいと思っています。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。