<前編のあらすじ>

世帯年収約1400万円の共働き夫婦・美香さん(仮名・45歳)と康太さん(仮名・48歳)。給料日から10日ほどで生活費口座の残高は5万円に。世間的には十分な収入のはずが、貯金はほとんどできない状態が続いていました。

自身も中学受験を経験した美香さんにとって、共働きで世帯年収1400万円なら「2人の教育費は大丈夫」と考えるのは自然なこと。しかし、美香さんが子どもだった頃と現在とでは、子育て世代を取り巻く環境そのものが大きく変わっていたのです。

●前編:「共働きなら中学受験は余裕」のはずが…世帯年収1400万円でも口座に“5万円”しか残らないパワーカップルの悲鳴

想定外だったのは「塾代」ではなく生活費

もちろん塾代が高いことは知っていました。それでも、あらかじめざっと計算し、なんとか兄弟2人ならやっていけると皮算用したそう。しかし家計を本当に苦しめたのは教育費だけではありませんでした。

一番大きかったのは、生活費そのものが想像以上に膨らんでいったことです。

32歳の時に夫の単独名義で組んだ住宅ローンは毎月約16万円。もちろん現在まで、計画通り返済できていると伺い、ホッとしました。しかし、懐事情は大きく変わったとのこと。まず数年前から、修繕積立金や管理費が次々と値上がりし始めました。

建材価格や人件費の高騰の影響で、当初2万5000円ほどだった管理費・修繕積立金は、気づけばほぼ倍額になっていたというのです。

「将来は物価上昇にともなって段階的に値上げする予定です」――管理組合からそんな説明を受けたときは、思わず言葉を失ったといいます。

さらには、再開発によって公示地価がかなり上昇したことで固定資産税が膨らみ始めました。もちろん食べ盛りの男子2人の食費、光熱費……。

生活のあらゆる場面で、「少しずつ」の値上げが積み重なっていきます。

「教育費だけなら何とかなる」
そう思っていた家計は、生活費全体の上昇によって余裕を失っていったのです。