<前編のあらすじ>
夫のモラハラと浮気に長年耐えてきた理佐さん(仮名、50歳)。開業医である夫の年収は約2500万円と高額なものの、生活費をめぐる暴言や過度な束縛から「これ以上一緒に暮らせない」とFPの筆者の元へ相談に訪れます。
パートで稼ぎ始めた理佐さんは「株や自宅などの財産分与」を想定して離婚後の暮らしを楽観視しています。
●前編:「夫をATMと割り切った方が賢いのでしょうか」年収2500万・開業医のモラ夫に届く浮気LINE…妻が離婚に踏み切れない「ただ1つの理由」
年金分割をしても老後資金は「3750万円」不足する
「理佐さん、教育費を夫が負担するなら、お子さんが独立するまでの生活は、確かに何とかなりそうです。ただ、問題はそのあとです。今の生活費30万円は、住居費や教育費を除いた金額ですよね。決して低い水準ではありません。つまり、離婚後に今と同じ生活レベルを保つのは難しいということです」
そう伝えると、理佐さんは「そうですよね」と納得していました。
筆者は続けてこう説明しました。「仮に子どもが独立後、月20万円の生活費で計算しても、年間240万円かかります。それに加えて、マンションの修繕積立金や管理費、固定資産税、家電の買い替えといった臨時の出費も出てきます。トータルで考えると、年間少なくとも300万円程度は必要になってくるでしょう。正社員として働けば年収300万円は届く可能性のある金額ですが、問題は年金生活に入ってからです。専業主婦期間が長い理佐さんの場合、見込まれる年金額は年間100万円ほどです」
理佐さんは「100万円では生活できないですね」と言います。しかし、年金分割をすることはできます。ご主人の年収を考えると分割後の年金は150万円ほどになりそうです。さらに、これから年収300万円で15年働くことができれば、ご自身の年金を約25万円増やすことができるでしょう。すると、年金額は約175万円となり、老後の不足額は年間125万円(生活費300万―年金175万)、老後が30年だとするとトータル125万円×30年=3750万円不足となります。単純計算ではありますが、財産分与がこの金額を上回れば老後の不足額をカバーできることになります。
