御堂麻子さん(仮名、42歳)は10代の頃からひきこもり状態にあります。現在も70代の両親と3人で暮らしており、麻子さんに兄弟姉妹はいません。

麻子さんは働くことが難しく、将来の見通しは何も立っていません。そこで母親は障害年金の請求を考えるようになり、社会保険労務士である筆者に相談することにしました。

幼少期から目立った「生きづらさ」と「周囲からの孤立」

筆者は、まず母親から麻子さんの事情を伺うことにしました。

麻子さんは幼少期の頃から落ち着きがなく、母親が目を離した隙にどこかに行ってしまうような子だったそうです。

幼稚園では、整列をする際にじっとすることができず体をフラフラと動かしてしまい、先生からよく注意を受けていました。幼稚園の外に出かける時は一番前に並ばされ、先生に手を繋いでもらっていました。

小学校に進学すると、さらに気になる言動が目立つようになりました。

例えば、空気が読めず、その場にそぐわない発言をしてしまうのです。クラスメイトの女子に「その服変だよ。似合ってないよ」「その髪型変だよ。前の方がよかったよ。何で切ったの?」などと言ってしまう。

もちろん麻子さんに悪意はないのですが、思ったことがつい口から出て反感を買ってしまうのです。次第に麻子さんは女子達に無視されるようになり、クラスで孤立していきました。

また、麻子さんはノートのマス目や線に合わせて文字を書くことができず、板書をうまく写すこともできませんでした。連絡ノートに持ち物や宿題などをしっかりと書き込まないため、家では宿題をせず、忘れ物も多くありました。

さらに整理整頓も苦手でした。小学校の机の中は教科書やノート、プリント類でごちゃごちゃ。ランドセルにもたくさんのプリントを押し込んだままにして、大事なプリントを母親に見せ忘れてしまうことが多々ありました。

そのようなことで母親や先生から何度も注意を受けていましたが、麻子さんの状況が改善することはありませんでした。