<前編のあらすじ>
地方都市に暮らす佐々木由美子さん(63歳・仮名)は、夫の正夫さん(65歳・仮名)と二人暮らし。共働きにもかかわらず家事も子育てもほとんど任せきりの夫に、長年不満を抱えてきました。
それでも経済的な不安から離婚に踏み切れずにいた由美子さんが希望を見出したのが、友人から聞いた「年金分割」の話でした。夫の厚生年金の半分を受け取れるなら、一人でも生活できるのではないか。
そう考えた由美子さんは、夫の定年退職を区切りに離婚を切り出すことを決めます。
●前編:「あと少し。あの人が定年になったら、離婚しよう」夫の年金を“半分”もらえると思っていた63歳女性を待ち受けていた誤算
年金はいくら増える? 年金事務所で知った衝撃の事実
正夫さんが65歳となり、定年退職を迎えたときのことです。退職祝いの食事を終えた夜、由美子さんは長年考えていた離婚を切り出しました。
突然の話に、正夫さんは驚きました。由美子さんはこれまでの不満を伝えました。
正夫さんも最初は離婚を拒んでいましたが、由美子さんの意思が固いことを知り、次第に話し合いに応じるようになりました。
しかし、お金や財産については、由美子さんが想像していたようには進みませんでした。
由美子さんは、自分なりに離婚後の生活を考えていました。
正夫さんの年金見込額は月15万円ほど。内訳は老齢基礎年金が月7万円、老齢厚生年金が月8万円です。
一方、由美子さん自身の年金見込額は月12万円ほど。老齢基礎年金が月7万円、老齢厚生年金が月5万円でした。
「夫の厚生年金は8万円だから、半分の4万円をもらえる。私の年金と合わせれば月16万円になる……」
ところが、年金事務所で年金分割について確認すると、想像していたものとはまったく違う説明を受けたのです。