<前編のあらすじ>

6歳の息子・宙人を育てる恵理は、骨折して入院中の夫のもとへ連日のように通っていた。隣町に住む義母・知子が宙人を預かると申し出たため、恵理は息子を義実家へ預けて病院へ向かう。

恵理が夫の病室にいると、救急搬送されてきたと知らされる。知子は宙人とサツマイモ掘りに出かけた際に転倒し、腰を打撲していた。さらに知子から「宙人がしつこく芋掘りをしたがった」と説明される。

知子は泣きそうな宙人を厳しく責め、治療費の負担に加えて、身の回りの世話まで恵理に要求する。夫の入院と育児を抱える恵理は負担の大きさに戸惑うものの、息子がけがの原因を作ったと引き受けるしかなかった。

●前編【「あんたのせいで大変な目に遭ったんだから!」孫を預かって救急搬送された義母…6歳の孫を責め立てた理由】

家族の世話に追われる恵理

知子が病院に運ばれてから、恵理の1日はさらに慌ただしくなった。

軽傷とはいえ、知子は立ち続けたり重いものを持ったりするのがつらいという。恵理は、買い物や食事の支度を手伝うため、毎日のように知子の家へ通っていた。夫の入院も続いているうえ、宙人の幼稚園の送迎もある。自宅、幼稚園、義実家、病院を行き来する日々だった。

「悪いけど、明日は牛乳と卵も買ってきてくれる?」

「分かりました。ほかにはありませんか?」

「そうねえ。洗剤ももう少しでなくなりそう」

宙人を幼稚園へ送ったあと、買い物を済ませて知子の家へ向かう。家に着くと、冷蔵庫へ食品をしまい、洗濯物を取り込み、簡単な食事も用意した。

知子は全く動けないわけではない。ゆっくりなら家の中を歩けるし、自分でお茶を淹れることもできる。それでも頼まれると、恵理は断れなかった。

「ついでに掃除機もお願いできる?」

「ごめんなさい。今日はこのあと病院にも行かないといけなくて」

「あらそう。でも、私がこんな腰になったのは誰のせいだったかしら」

宙人を預けなければ、知子がケガをすることもなかった。そう思えば知子の治療費の支払いも、世話も多少の無理は自分が引き受けるべきなのだと、恵理は自分に言い聞かせた。

知子の家を出ると、恵理はそのまま夫が入院している病院へ向かった。

「頼んでた充電器、持ってきてくれた?」

「うん。あと着替えも3日分」

「ありがとう。助かるよ。家のほうは大丈夫?」

「まあ、何とかね」

本当は心身ともにへとへとだった。病室で夫と保険の手続きについて話し、必要なものを確認すると、今度は幼稚園のお迎えの時間が迫る。時計を気にしながら病院を出て宙人を迎え、自宅へ戻れば夕食の支度が待っていた。