<前編のあらすじ>
5人目の夫との離婚を望み、FP兼夫婦問題診断士の筆者のもとへ相談に来た62歳の優子さん(仮名)。
優子さんは専業主婦で、具体的な婚姻歴はバツが3つ、4人目の夫とは死別、5人目が現在の夫の誠司さんです。誠司さんと再婚するまでは毎月2 〜3万円の内職と約10万円の遺族年金、そして貯蓄の切り崩しで生活をしてきました。
長年の専業主婦生活に死別後の浪費が加わったせいで優子さん自身の貯蓄は激減しており、現在の生活は誠司さんの収入頼みです。果たして離婚することはできるのでしょうか。
●前編:「いくら稼げば離婚できますか」60代で5度目の結婚を果たして2年…貯蓄900万円の専業主婦が“5人目の夫との別れ”を急ぐ切実な理由
64歳からの年金は「年6万円」という残酷な現実
誠司さんと結婚する前の生活費は、先に述べた通り貯蓄の切り崩し分も含めると1カ月20万円弱です。遺族年金が支給されていたため、内職と貯蓄の切り崩しで生活ができていました。しかし、誠司さんと離婚しても再婚によって支給が終わった遺族年金が復活するわけではありません。
さらに貯蓄も大きく減っています。収入は内職だけというわけにはいかないでしょう。優子さんに毎月20万円の生活費をどうやって工面するのか聞いたところ、「そういえば、私は65歳前にもらえる年金があるんです。今度、年金事務所に金額を聞きに行こうと思っていたんです」と言います。
確かに、優子さんの年齢だと64歳から「特別支給の老齢厚生年金」という65歳前に受け取れる年金があります。この年金は昭和41年4月1日以前生まれの女性が受け取れる年金です(男性への支給は終了しました)。金額は年金事務所に聞きに行かなくても、ねんきん定期便で確認できます。優子さんの定期便を確認すると金額は年間約6万円でした。
優子さんは「年間6万円? これでは生活が全然できません」と言います。特別支給の老齢厚生年金は過去の厚生年金加入履歴に基づいて支給されますが、人生のほとんどが専業主婦だった優子さんは、厚生年金加入期間が少ないため、年間6万円という金額だったのです。
