年金分割をしても年2万円? 貯蓄は6年で底をつく計算に
しかし、優子さんは粘ります。「誠司さんの年金を分割してもらうことはできますよね」。確かに、誠司さんは会社員ですから、誠司さんの合意があれば、婚姻期間分の厚生年金の分割は可能です。しかし、結婚生活はたった2年。2年分の年金を分けたとしても誠司さんの年収から計算すると年間2〜3万円ほどと思われます。優子さんは、言葉が出ないようでした。
そして、65歳になると年金が支給されますが、専業主婦歴が長かった優子さんの年金は月額約8万円です。月2万円の内職では、あと6年で貯蓄が底をつく計算です。そもそも、今後の医療費・介護費・家のメンテナンスや家具家電などの臨時費用を考えると900万円の貯蓄は使わずにとっておくのが賢明です。
貯蓄を切り崩せないとなると、生活費全額を自らの収入で賄わないと生活は成り立ちません。月20万円を稼ぐ仕事に就くのはそう簡単なことではありません。優子さんも、それはよく分かっています。すると優子さんは、「実は、今、ステンドグラス教室に通っているんです。この教室で技術を手に入れて私も先生として働こうと思っています」と話してくれました。
技術を身につけて仕事をしようと考えていることはすばらしいことです。しかし、いくら稼げるのか、そして、いつ稼げるようになるのか、わからない時点での離婚は危険すぎます。ステンドグラス教室で稼げるようになるまでは、結婚生活を続けるか、別の働き口を見つけるのが無難でしょう。
そして、支出を落とすことも大切です。これは、離婚するしないにかかわらず現在の生活にも言えることです。今は、誠司さんの収入があるため生活ができていますが、貯蓄はできていません。誠司さんが退職し2人とも年金生活になると今の生活レベルでは家計が赤字になり、優子さんの貯蓄もあっという間になくなるでしょう。
