<前編のあらすじ>

74歳の杉田さんは、大学4年の孫の学費を支援し終え肩の荷を下ろした矢先、5年ぶりに訪ねてきた高校2年の下の孫から大学進学の援助を頼まれます。

資産6500万円・年金月28万円の杉田さんでしたが、自分たちの老後資金への不安に加え、理系で大学院進学も視野に入れる孫への支援額の大きさに、その場で即答することができませんでした。

●前編:「大学の学費を出してくれないかな?」5年ぶりに現れた孫の打診…預貯金6500万円の74歳祖父が即答できなかったワケ

「AIエンジニアになりたい」大学院進学を目指す孫からのお願い

シルバーウィーク後半、高校2年生の孫の大翔がいきなり訪ねてきました。大翔は中学に入ってから部活や勉強が忙しいと言ってなかなか顔を見せなかったので、我が家に来るのはほぼ5年ぶりです。

大翔は5人の孫の中でも家内の一番のお気に入りなので、家内は大翔に茶菓子を出した後、そそくさと買い物に出かけ、大翔の好物の豚カツやナポリタンを食卓に並べました。

久しぶりの再会に話も弾みましたが、大翔が将来はAIエンジニアになりたいと言い、志望大学の話の流れで「授業料を援助してもらえないかな」と打診してきた時には、思わず、家内と顔を見合わせてしまいました。

私たちは既に、大翔の5つ違いの兄である優翔にも援助していたからです。来年は優翔が社会人になり、やっと肩の荷が下りたと思ったら、今度は大翔。しかも、大翔は理系で大学院への進学も視野に入れていると言いますから、大翔よりもはるかにお金がかかりそうです。

我が家の収入は月額28万円の公的年金のみで、預貯金も6500万円ほど。今は老人ホームの入居金が数千万円という時代ですから、私や家内が将来寝たきりや認知症になった時への備えとしては心もとないと考えています。もう70代ですし、生命寿命はもう少しあるかもしれませんが、健康寿命の方はいつ尽きてもおかしくありません。

そんな中での大翔の申し出だったので、二つ返事で「いいよ」とはとても言えなかったのです。

大翔びいきの家内は「優翔に出してあげたのに、大翔には出せないっていうわけにはいかないんじゃないの?」と言いますが、易々と援助したくない事情もありました。