内閣府の調査によると、今は60歳以上の日本人の4人に1人が子どもや孫の生活費を負担しているのだそうです。杉田英一さん(仮名)もその1人。杉田さんには2人の息子さんがいて、援助しているのは長男の第1子の大学生の孫。来春社会人となり、ようやく解放されるかと思いきや、今度はその弟の高校生の孫から援助を打診されました。しかも、下の孫は理系で大学院進学の可能性もあると言います。

杉田さんによると、次男からはこれまで経済的援助を求められたことが1度もないのに、長男は結婚、住宅購入、子どもの進学とすべて親頼み。「本当に生活が苦しいならやむを得ないが、長男はパチンコや競馬にうつつを抜かし、嫁はアイドルグループの推し活に夢中。それで『学費はじいちゃんにもらえ』というのは筋が通らない」とご立腹です。次男一家とのバランスも考え、下の孫の援助は断ろうとしていた杉田さんですが……。

〈杉田英一さんプロフィール〉
埼玉県在住
74歳
男性
元地方公務員
専業主婦の妻と2人暮らし
金融資産6500万円(世帯)

和菓子をもって突然訪問…老夫婦を驚かせた「孫のお願い」

台風一過のシルバーウィーク後半、高校2年生の孫の大翔がひとりでふらりと我が家にやって来ました。敬老の日のお祝いだと言って、手土産の和菓子を差し出されました。

大翔は私の長男の剛の2番目の息子です。中学に入学した頃までは盆暮れには親と一緒に顔を見せてくれましたが、以降は部活や夏期講習があるといってとんとご無沙汰でしたから、唐突な訪問には少々驚きました。

とはいえ、幼い頃から愛嬌のある子で、5人の孫の中でも家内の一番のお気に入りだったので、家内は腕によりをかけ、豚カツやナポリタンなど大翔の好物を作ってもてなしました。

久しぶりに会った大翔から、部活のバスケットボールでは3年生が抜けた新チームでレギュラーになれそうなこと、高校に入学してから都立AIを使った授業を通じてAIに興味を持ち、将来はAIエンジニアになりたいといった話を聞かされ、私たちも大翔の成長ぶりをうれしく思いました。高齢者2人の生活は味気なく、たまに世代の違う来訪者があるといい刺激になります。

そうした中で、大翔がおずおずと切り出したのが、「大学に行ってAIを研究したいんだけど、授業料を援助してもらえないかな」ということでした。

これには思わず、家内と顔を見合わせました。