<前編のあらすじ>

数年前から楓と夫・佑輔は、佑輔の両親から通院や薬代で生活が苦しいと聞き、毎月3万円を援助していた。その負担が気になりつつ、必要な支援だと受け止めていた。

ある週末、義実家を訪れた楓と佑輔は、義父の定年を機に同居してほしいと切り出される。さらに、残っている住宅ローンも、同居で浮く家賃分から負担してほしいと求められた。

帰宅後、佑輔は同居するつもりはなく、親の住宅ローンを負担するのもおかしいと明言する。一方で、毎月の仕送りまでやめてよいのかは判断できない。そこで2人は、本当に義両親が困窮しているのか、家計の状況を一度きちんと確認してから今後を決めることにした。

●前編【「家のローンまで?」毎月3万円を息子夫婦から受け取る義両親…定年目前に飛び出した“驚きの要求”】

義両親の家計を夫婦で確認

翌週末、楓と佑輔は再び義実家を訪れた。

事前に佑輔から、家計の状況を詳しく知りたいと伝えてあったため、ダイニングテーブルには、住宅ローンの返済予定表や通帳、いくつかの明細が並べられている。義母は椅子に座ったまま腕を組み、見るからに不満そうな顔をしている。

「まさか息子夫婦に通帳の中身まで見られることになるとは思わなかったわ」

「だったら、ローンを払ってくれなんて言わなきゃいいだろ」

「ちょっと佑輔。今日は状況を確認しに来たんだから」

楓が間に入ると、佑輔は小さく息を吐いて黙った。

「じゃあ……拝見しますね」

順番に支出を確認していくと、定年後も4年ほどは住宅ローンの返済が残ることが分かった。また義母は腰痛、義父は高血圧で定期的に通院しており、薬代などの負担が増えているのも事実だったが、生活に困窮するほどではない。不思議に思って通帳を見てみると、楓はあることに気づいた。月に何度も数万円単位の現金が引き出されているのだ。

「お義母さん、この現金の引き出しは何ですか?」

「何って、食費とかちょっとしたものよ」

「食費にしては結構な額ですよね。先月だけでも10万近くありますよ」

「さあ……いちいち覚えてないわね」

楓が食い下がると、義母は視線をそらした。だが、数字はごまかせない。毎月同じような金額が繰り返し引き出されており、医療費や通常の生活費だけでは説明がつかなかった。