年金を受給していた人が亡くなった場合、その遺族に未支給年金の手続きが発生することがよくあります。この未支給年金はどのような意味合いがあるのでしょうか。

9月に急死した未婚・子なし68歳男性

正俊さんは68歳で年金を受給していましたが、仕事は続けていました。未婚であったため、社会人になってからずっと1人暮らしでした。

そんな正俊さんが8月のある日、職場で突然倒れてしまいました。

救急搬送され、そのまま入院となりました。このことは離れて暮らしていた姉の真由美さん(71歳)と、弟の崇さん(64歳)に知らされ、2人は病院に駆けつけます。

しかし、周囲の祈りもむなしく、正俊さんは9月に亡くなってしまったのでした。

正俊さんらの両親は既に亡くなっています。前述の通り、正俊さんには配偶者も子もいないため、親族というと、姉・真由美さんと弟・崇さん、そして真由美さん、崇さんそれぞれの配偶者や子たちくらいでした。

「兄さんが亡くなると、相続の手続きも必要なんだよな……」

葬儀が済むと、崇さんはそのことに気がつきました。

未婚・子なしの正俊さんの場合、相続人は姉・真由美さんと弟・崇さんになります。

さらに崇さんは次のことにも気がついたのです。

「兄さんは年金も受け取っていたから、年金事務所に行って、支払いを止めないとダメじゃないか」

真由美さんと崇さんは、一度年金事務所に行き、死亡後の年金の手続きについて話を聞くことにしました。

年金事務所の窓口の職員によると、市役所に既に死亡届を出していたことから、年金の支給は自動的にストップされているとのことでした。

ただ、窓口の職員は次のことを付け加えたのです。

「その上で、死亡に関する手続きとして、未支給年金の手続きが必要です」