「未支給年金」とは
未支給年金とは一体何でしょうか。
年金の支給にはルールがあります。通常、年金は亡くなった月の分まで支給されます。
ただ、年金は後払い制で、原則として、2カ月に1回、偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の15日(土日祝日の場合は直前の金融機関の営業日)にその前々月分と前月分の2カ月分が振り込まれることになっています。
8月15日に振り込まれるのは6月分(前々月分)と7月分(前月分)の2カ月分といった具合です。
そうなると、亡くなった月の分までのまだ支給されていなかった年金は本人が受け取ることができないことになります。その本人が受け取れない年金については遺族が請求できることになっています。この制度を未支給年金制度といいます。
正俊さんは9月に亡くなっていますので、その9月分の年金までが支給対象となります。
8月の年金支給日(振込日)には正俊さんはまだ存命だったので、自身で6月分7月分を受け取っていましたが、10月の振込日時点では既に亡くなっています。そのため8月分9月分の2カ月分が未支給年金となります。
その未支給年金を請求できる遺族とは、亡くなった人と生計を同じくしていた①配偶者、②子、③父母、④孫、⑤祖父母、⑥兄弟姉妹、⑦①~⑥以外の3親等内の親族となっています。
また、遺族の優先順位については①②③④⑤⑥⑦の順となります。
亡くなった当時、住民票上、同一住所であれば生計同一となり、別居していても、生前に経済的援助や音信・訪問があれば生計同一と認められることになります。
正俊さんから見て一番近い親族は⑥の兄弟姉妹で、姉・真由美さんと弟・崇さんですが、同順位の遺族が複数いる場合は、請求した人にその全額を支給することになります。
正俊さんの未支給年金の額は、老齢基礎年金と老齢厚生年金の2カ月分で40万円程度となりそうでした。
ただ、姉の真由美さんはふと疑問を覚えました。
「未支給年金も相続税の対象になるんじゃないかしら」
●相続税はどうなるのでしょうか。後編【最大約40万円も受け取れ、相続税支払いも不要…親族の死後忘れずに手続きしておきたい「未支給年金」】では、未支給年金の詳細を解説します。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
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