食い違う証言を突きつける恵理
宙人を幼稚園へ送り届け、知子の家に着くと、恵理は頼まれていた食料品や日用品を片づけ終えてから、空になった袋を手に居間へ戻った。
ソファに座っていた知子が、いつもの調子で口を開く。
「ちょうどよかった。あとで洗濯物も取り込んでくれる?」
「その前に、話があります」
「何よ」
「宙人から、芋掘りの日のことを聞きました」
知子の表情がわずかに固まった。恵理は向かいに座り、まず芋掘りへ行った経緯について話し始めた。
「宙人がしつこくせがんだから仕方なく連れていったって言いましたよね? でも、実際誘ったのはお義母さんだったんでしょう?」
「宙人がやりたいって言ったのよ。同じことでしょう」
「同じじゃありません。少なくとも宙人がわがままを言ったという話は、ウソですよね」
知子は目をそらした。恵理はさらに、畑での出来事について、宙人から聞いた話を伝えた。
「6歳の子の話を信じるの? 自分に都合よく覚えてるだけかもしれないじゃない」
「じゃあ、お義母さんは一切自分から誘ってないんですね? あくまでも宙人が無理やり芋掘りをさせたんですね?」
「いや、それは……」
知子の声が弱くなる。
「どうして宙人のせいにしたんですか」
「だから、あの子だって一緒に行きたいって……」
「宙人は何日も悩んでたんですよ。私だって……」
恵理自身も知子の話を信じ、夫の病院と義実家、自宅を行き来してきた。知子への罪悪感から無理を続けていたのだ。
「自分の失敗を子どものせいにして、恥ずかしくないんですか」
知子は黙り込んだ。やがて、ぽつりと「だって格好悪いじゃない」と漏らす。
