周囲の視線に苦しみ、娘を責め続けた母親の苦悩
当時の母親は
「親のしつけがなっていない」
「子どもを甘やかしている」
と周りから言われてしまうことを恐れるあまり、麻子さんに
「あなたは何でそんなにだらしないの? もっとしっかりしなさい!」
「何度言えばわかるの? もういい加減にして!」
と厳しい言葉をぶつけてきました。
その度に麻子さんはおびえた表情を見せるのでした。
ようやく発覚した「生きづらさ」の正体
「何がいけないの? 一体どうすればいいの?」
悩んだ母親は知人に相談。すると児童精神科を受診するよう勧められ、麻子さんを病院に連れていきました。麻子さんが小学3年生の頃でした。
病院で検査したところ、麻子さんには発達障害の一つである注意欠如多動症の疑いが強いという診断を受けました。
この結果に母親は大きなショックを受けましたが、それと同時にしつけや甘やかしが原因ではなかったということも分かり、複雑な心境になりました。
その後は月1回程度の受診を続けることになりました。遊びを通して自己や他者について学んだり、字を書いたり塗り絵をしたりして手先の運動の練習をしました。
特に薬は処方されず、主治医からは「お母さんはもっと大らかな心でお子さんに接してあげてください」といったことを言われるだけでした。
それでも麻子さんの状況が改善することはなかったため、母親は受診に意味を見いだせず、小学校卒業を機に中断。その後、麻子さんは精神科や心療内科を受診することはありませんでした。
