2028年4月から、子どもがいる場合の加給年金が拡充されます。一方で、配偶者がいる場合の加給年金は縮小されることになっています。
既に加給年金が加算されている方にとって、改正でどのような影響があるでしょうか。
「学校や学歴が全てじゃないけど」
光昭さんはまもなく65歳を迎えます。これまで40年ほど会社に勤めてきましたが、65歳になると年金を受給できるようになります。ただ65歳以降も、給与が大幅に下がることにはなるものの、引き続き働く予定です。
光昭さんの妻は春美さん(47歳)で、光昭さんより18歳も年下です。また、2人の子どもである悠太さんは12歳、まだ小学6年生です。
春美さんは年収500万円ほど。会社に勤務し家計を支えており、悠太さんへの教育にも熱心です。
「学校や学歴が全てじゃないけど、将来の可能性を広げておくほうがいい」
春美さんはいつも悠太さんにそう教えていました。
かつては遊んでばかりだった悠太さんも、だんだん勉強の必要性を理解してきたのか、私立中学を受験することに決め、塾に通って勉強していました。
光昭さんも悠太さんに「受験するからにはしっかり勉強しろよ」と言います。ただ、光昭さんは複雑な心境でした。
「私立中学はお金がかかるよな……」
「悠太が決めたことだから受験は頑張ってもらいたいけど、私立中学はお金がかかるよな……」
「70歳までは会社に残れることになっているし、春美も働いていて当面収入はある。でも自分の給与はこれから大幅に減っていよいよ年金生活がはじまる。やっぱりお金のことは不安だな……」
と、収入の不安を隠せませんでした。
光昭さんが65歳からの年金収入を確認してみたところ、老齢基礎年金が年間80万円、老齢厚生年金が年間150万円となる見込みでした。
そんな折、光昭さんは加給年金について知りました。65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者加給年金が加算されるほか、18歳になってその年度末を迎えるまでの子(一定の障害がある場合は20歳未満の子)がいる場合は、子の加給年金が加算されます。
加算額は、配偶者加給年金は年間42万3700円、子の加給年金は子が1人の場合は年間24万3800円となっています。
「配偶者加給年金は春美が65歳になるまで加算されるから、18年くらいもらえるのか。それに、子の加給年金は、悠太が高校を卒業するまでもらえるから、6年数カ月ほど加算されるんだな」
光昭さんは加算期間についてそのように見積もっていました。ところが……。
●光昭さんの想定は間違いだったのでしょうか。後編【子育てしていると年29万円ももらえる…2028年4月より子育て支援で現行の1.2倍に増額される年金の名前】では、加給年金の仕組みについて詳しく解説します。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
