<前編のあらすじ>
実家の相続を楽観視していた会社員の佐藤慎也さん(51歳、仮名)でしたが、父の四十九日後、相続財産に時価2000万円超の「金の延べ棒2本」があることが分かり、相続税の申告が必要に。さらに、購入証明書がなく「売却益の95%に課税されるのでは」という大ピンチに直面します。
申告期限が迫り、大手税理士法人にも門前払いされる中、若手税理士の由良さんに藁をも掴む思いで依頼を決めました。
●前編:「親父ありがとう!」遺産に“金の延べ棒”2本を発見…大歓喜から一転、息子が大焦りした「厄介すぎる事実」
亡き父の遺産から見つかった「金の延べ棒2本」
2年前に父親が亡くなった後、遺産として金の延べ棒があることを母から告げられました。
私の生家は東北の農村地帯にあり、父は元役場の職員です。両親には失礼ながら、大した遺産があるとは思えず、相続については楽観視していました。
ところが、爆上がりしていた金、それも、1kgの延べ棒が2本もあるというのですから、最初は歓喜し、心の中で父に手を合わせました。前年には国内の金価格が初めて1万円を超え、さらに続伸していた頃です。2kgなら、換金すればその時点で2000万円以上になりました。
娘3人は大学生と高校生で、全員が私立に通っています。妻も働いていますが、3人分の学費や成人式、運転免許の取得などの出費が家計にのしかかっていました。
とはいえ、延べ棒があったことで、楽勝だと思っていた相続の計画は大きく狂いました。他にも父の退職金がほとんど手付かずで残されていて、実家の不動産も加えると、遺産は軽く相続税の非課税枠(我が家は相続人が母と私なので4200万円)を超えてしまったのです。となると、父が亡くなった後、10カ月以内に相続税の申告・納税が必要になります。
母から延べ棒の存在を聞かされたのは四十九日の法要を終えた後ですから、その時点でもう1カ月半が経過していました。
