大手の税理士法人には相手にすらされない

ネットでにわか知識を得たりしたものの、しょせんは税金の素人です。何ができるわけでもありません。そこで、ネットの税理士マッチングサービスで探し出したのが由良さんでした。当初は相続専門の大手の税理士法人に相談しようとしたのですが、地方で、しかも、資産額が1億円にも満たないような案件は相手にされなかったのです。

由良さんは40歳を目前に独立したそうで、初めてお会いしたのは事務所を立ち上げて半年後でしたが、話をしてみると税務知識も豊富で、父を亡くしたばかりの母や私に対する配慮があり、「この人なら任せられる」と思えました。

実際、由良さんと仕事をしてみて、やはりプロは違うなと感じることが幾つもありました。

母は「配偶者の税額軽減」という法定相続分か1億6000万円の多い方まで非課税で相続できる制度が使えることから、私自身は当初、遺産の多くを母に引き継がせることを考えていました。

しかし、由良さんは母の相続まで見据えた遺産分割をすべきだといい、少なくとも、今後も値上がりする可能性が大きい延べ棒は私が引き継いだ方がいいと主張しました。さらに、母がこの先高齢者施設などに入居することを視野に、預貯金は私の納税資金+αを除いて母が相続し、実家の不動産は配偶者居住権を設定して私が相続するといった具体案を示してくれました。

由良さんは素人の私や母にも提案の根拠を1つ1つ丁寧に説明してくれましたが、どれも合理的で、納得のいくものでした。そして、由良さんのおかげで父の相続税の申告・納税を想定していたよりも早く、しかも、私や母はそれほど面倒な思いをすることもなく、無事に済ませることができたのでした。