<前編のあらすじ>
元夫の浪費や不貞により、長男の晴くんが4歳になる前に離婚した美容師の片桐佐奈さん(仮名)。周囲に支えられ生活を再建した彼女は、一昨年から誠実な営業マンの渡辺さんと交際を始めます。
渡辺さんは晴くんとも本当の父子のように仲が良く、晴くん自身が「お父さんになって」と懐くほどでした。しかし片桐さんは、ママ友の「子どもの気持ちを最優先に」という言葉や世間体に縛られ、再婚へ一歩を踏み出せずに葛藤していました。
●前編:「僕のお父さんになって」再婚を後押しする息子の言葉に戸惑い…31歳シンママが一歩踏み出せない「本当の理由」
離婚から4年…子への責任感から再婚に踏み切れない
美容師の私は、4年前に離婚し、小学2年生の息子を育てるシンママ(シングルマザー)です。一昨年の夏から勤務先の出入り業者の営業マン、渡辺さんと交際しています。
穏やかで思いやりのある渡辺さんは息子の晴との関係も良好で、晴が「僕のお父さんになって」と言うほどです。正式なプロポーズを受けたわけではありませんが、渡辺さんから結婚を匂わすようなことを何度か言われる中で、私の気持ちは複雑でした。
母子家庭の生活は不安定です。もし私が病気をしたり、事故にあって大けがを負ったりしたら、たちまち我が家の家計は立ち行かなくなります。この先、晴や私自身に関して大きな決断を迫られるようなことがあった場合も、私1人で決断するのは荷が重く、お父さんのいる家がうらやましいと思います。
一方で、ママ友に相談すると、皆、「晴ちゃんはどうなの?」「晴ちゃんの気持ちを考えてあげないと」と言われます。晴が小学生になって子育ての負担はだいぶ減りましたが、今年で満8歳ですから、まだまだ母親が恋しい年頃です。晴を実の父親から引き離してしまった私には晴の人生に対する責任があり、再婚はさも自分の恋愛を優先させているようで躊躇する気持ちももちろんありました。
