頑なな心を溶かした専門家のアドバイス
そんな私の煮え切らない様子を見るに見かねたシンママのお客さんが、相談してみたらと勧めてくれたのが、弁護士の清水さんでした。清水さんはご自身もシンママとして苦労された方で、シンママや離婚した女性を支援するNPO(特定非営利活動)法人の仕事もしています。シンママのお客さんは、そこでお世話になったそうで、「弁護士さんなのにちっとも偉そうでなくて、いざという時に頼りになる人」だと言います。
こんな人生相談みたいな話を聞いてもらえるのか半信半疑で連絡したら、「内田さん(お客さん)から聞いてます。お時間がある時に気楽に事務所に来てください」と言われて拍子抜けしてしまいました。
しかし、実際にお会いして清水さんからいただいたアドバイスは、私の胸に刺さり、その後の自分の生き方を決める指針となるものでした。
中でも印象に残っているのは、私が「子どもの幸せを一番に考えたい」と話した時に、「それはその通りだけれど、私は、お母さんも、お子さんも幸せになることが一番だと思う」と言われたことでした。
もやもやした自分の心の中を覗き込んだ時、私は、それこそが自分が一番誰かに言ってほしいアドバイスだったのではないかと気付いたのです。
「あなたがその男性の人柄と、息子さんとの関係性を見ていて問題ないと思うなら、自分の気持ちをその男性にぶつけて、2人でじっくり話をしてください。その上で、息子さんとも話をしてください」
入籍か事実婚か? 知っておくべき「戸籍上の家族」が持つ法的メリット
清水さんは事実婚よりも入籍を勧め、それは今の日本の社会保障制度の多くが「戸籍上の家族」を対象にしたものだからと説明しました。さらに、渡辺さんと晴が納得すれば、養子縁組をした方がいいという助言もいただきました。
仮に将来渡辺さんが亡くなったとしたら、未入籍の場合、相続人は渡辺さんの娘さんとなり、私たち母子は相続に一切タッチできません。入籍すれば配偶者の私には遺産の半分の相続権が発生しますが、養子縁組をしていないと、晴には相続権がないのだそうです。残りの半分は渡辺さんの娘さんに渡ることになります。
「一方で、入籍することによって今片桐さんが受けている児童扶養手当や家賃補助などのひとり親家庭支援が利用できなくなるといったデメリットもありますし、家族になるとしたら生活していく上での名字をどうするかといった問題もあります。渡辺姓に変わった場合、片桐さんは職場で通称を使うこともできますが、息子さんはそうは行きません。そういうことを、皆さんでしっかり話し合って、皆が腹落ちしてから入籍するのがいいと思います」
