「加給年金」に代わることで上乗せが大幅に増える
しかし、振替加算がなくなった一方、敦子さん自身の厚生年金加入期間が20年以上になったことで、敦子さんに配偶者加給年金が加算されることになります。
加給年金は65歳の時点で厚生年金加入期間が20年以上あれば、その時点で生計を維持している65歳未満の配偶者がいることにより加算されます。
信行さんは敦子さんと同居し、たとえ、敦子さんより収入が多くても、年収850万円未満であることからこの生計維持要件を満たしています。
加給年金は老齢厚生年金に加算されますが、敦子さんは老齢厚生年金について繰下げ受給をせず、65歳から受給することにしました。そのため、敦子さんが65歳になった時から、信行さんが65歳になるまで、7年間加算されることになります。
加給年金は年間42万3700円(2026年度)です。7年間で300万円ほど加算されることになります。一方の振替加算は生涯にわたって加算されますが、72歳から20年、92歳まで生きたとしても33万円程度です。
そのため、振替加算より、加給年金を受けたほうがもらえる年金額が高くなります。
条件を事前に確認しておくべき
敦子さんは加算が大きくなることに驚き、満足します。「7年もの間、加給年金が加算されるなんて、年齢差があってよかったね」「厚生年金にまた加入しておいてよかった」と思いました。
もちろん、加給年金を除いた老齢厚生年金の額も、209月ではなく241月の厚生年金加入期間で計算されるため増えていることになります。
加えて65歳以降も引き続き厚生年金に加入すれば、老齢厚生年金はその分再計算されてさらに増えることにもなります。
以上のように、配偶者の有無や配偶者の生年月日、年金加入記録によって加算の種類や加算額が異なります。特に厚生年金加入期間が20年に近い場合で、その後20年になりそうな場合は加算制度についてその加算条件を事前に確認しておくとよいでしょう。
※本記事に登場する人物の名前はすべて仮名です。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
