推しの移籍で始まった関西への「ホーム戦詣で」

しかし、そのシーズンが終わる頃、推しの関西のチームへの移籍が発表されたのです。ショックでした。関東のチームとの試合もありますから観戦のチャンスがゼロになるわけではないのですが、ホームゲームが関西となると現地に行ける機会は激減します。何より、それまでの間に、推しと同じ独特な空間で声援を送る快感にすっかりハマってしまっていたのです。

翌シーズン、一人で出かけた移籍先のチームの都内でのアウェイ戦で、同世代のサポーターグループと出会いました。チームによってサポーターの性質が異なるのは知っていましたが、その時話をしたサポーターは穏やかで感じが良く、知的にプレーを評価したり、ゲームの分析をしたりするような人たちでした。

その人たちから、「ホームの雰囲気は格別。できたら本拠地のスタジアムにも来てほしい」と熱心に誘われ、翌月のホームゲームに行く約束をしてしまいました。乗り継ぎを調べたら、少し早めにスタジアムを出れば、夫の帰宅時刻までに自宅に戻れることが分かりました。

そして、初のホーム戦デビュー。スタジアムの雰囲気は確かに格別でした。移籍先には、海外のビッグネームや、かつて日本代表で華々しく活躍したスター選手たちが名前を連ねています。推しがそんなチームの一員としてホームで声援を浴びる姿を見るのは誇らしくもありました。

一度そんな感覚を経験してしまうと、もう歯止めが利きません。日帰りでもチケット代と往復の交通費を合わせればゆうに5万円以上かかるホームでの試合観戦に、普通に月2~3回のペースで出かけるようになりました。関東での試合もありますし、グッズを購入すると、もう私の収入ではカバーし切れません。