普段から夫婦問題診断士、兼、ファイナンシャルプランナーとして夫婦問題とお金の相談業務を行っている筆者のところには「離婚を考えているけれど、離婚しても生活は成り立つでしょうか」という相談がたくさんきます。そこで、今回は離婚に向けて行動しているのり子さんの事例をもとに離婚しても生活が成り立つ5つのポイントを解説します。離婚に向けて何を準備すれば良いか、離婚しても生活が成り立つか、悩んでいる人は5つのポイントを自分に当てはめて考えてみてください。

結婚当初から抱いていた夫への違和感

のり子さん(仮名・50代)は結婚してからというもの、夫のモラハラに25年間耐えてきました。のり子さんが資格取得の本を読んでいると「そんな資格を取って俺と同じくらい稼げると思っているの?」と言われたり、夫が仕事の話をした時は必ず最後に「『いつもありがとう』を言わない」と怒鳴ったり。

「でも、信用できないと決定的に思ったのは出産時です」と言います。「陣痛が来たことを仕事中の夫に知らせましたが、当日、夫は病院には来なかったんです。次の日、義母と一緒に来ましたが、私は出産を終えたばかりだし、義母もいるし、うれしそうに赤ちゃんを抱っこする夫を見て、来なかった理由を聞く気力もなくて」と話します。

命が誕生するという人生最高に幸せな日であるにもかかわらず、2人でその時間を過ごせなかったことが、ただ、ただ悲しかったとのこと。しかし、子どもへの無関心はその後も続きます。夫は育児参加することはなく、のり子さんはワンオペで子育てをしてきました。子どもが小学生の時に、発達障害の診断を受けたそうですが「まあ、対応は任せるよ」の一言のみで、まるで他人事だったと言います。