年金生活をしている女性の中には「もし夫が先に亡くなったら、私は生活できるのだろうか…」そんな不安を抱えている人は少なくないかもしれません。しかし、その不安を抱えながらも、遺族年金がいくらなのか、具体的に調べたことはあるでしょうか?
知らないままでいると、すず子さんのように夫を「生き殺し」にする選択をしてしまうかもしれません。夫婦で納得のいく人生を送るために、すず子さんの体験と遺族年金についてお話しします。
夫の施設入居で自由な暮らしを楽しむ妻
すず子さん(仮名、以下同、74歳)は、現在、住み慣れた自宅で一人悠々自適な生活を楽しんでいます。1年前までは夫の勝郎さん(80歳)と一緒に暮らしていましたが、現在、勝郎さんは施設に入居しています。
すず子さんは「週に2回は主人の施設に面会に行き、お話ししたりお世話したりしています。それは少し大変だけど、家で気を使わなくて良いのは本当にラクで。一人気ままだから家にこんなものもあるんですよ」と、幅1m以上はあると思われる書きかけの絵画を見せてくれました。
「今、絵画教室に通っているんです。主人がいた頃は、とてもじゃないけど絵を習いに行くなんてできなかったから、今は充実しています」と笑顔で話してくれました。実は、勝郎さんが施設に入居する前は、すず子さんは常に勝郎さんに従い機嫌をうかがいながら生活する、自由のない生活を送っていたのです。