「この投資信託はさまざまな資産を組み入れて運用します。分散投資効果が高く、安定運用が期待できます。これから投資を始める方にはぴったりですよ」。
2024年の新NISAのスタートまで4カ月とちょっと。恐らく金融機関の店頭では、上記のようなセールストークが飛び交うことになるのではないか、と考えています。なぜなら、多くの金融機関が取り込みたいのは、まだ株式や投資信託の保有経験を持たない投資初心者だからです。
金融機関はどれだけ“投資初心者”を引き込めるかが勝負
いささか古いデータになりますが、2022年6月に日本証券業協会と株式会社日本取引所グループが行った「2021年度 国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査報告書」によると、過去において有価証券への投資経験を持たない回答者が、全体の57.3%を占めていました。有価証券を現在保有している人の割合は、全回答者のうち35.7%でした。
2016年2月時点で金融庁が行った「国民のNISAの利用状況等に関するアンケート調査」では、67.3%が有価証券投資未経験であったため、その数字からは10%の改善となりましたが、それでも半数超の人が投資未経験者です。
これらの数字を見ても、投資は今でも一部の人が行うものであることが分かります。逆に言えば、この投資を全くこれまで経験したことのない人たちを、新NISAのスタートを機会に投資の世界に引き込むことができれば、大きなマーケットを確保できます。
恐らく今年の秋口あたりになれば、新NISAの口座開設に関する各金融機関の動きが、一段と活発になってくるでしょう。